Reports on Poetry Readings

2023

第21回(2023年12月21日)詩人・城戸 朱理

 

更新遅れました、2023年12月21日にLunch Poems@Dokkyo第21回を無事開催することができました。たくさんの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。

 

また、今回お越しいただきました詩人の城戸 朱里様に感謝申し上げます。

 

今回のイベントでは『非鉄』より「逍遙遊篇」と「非鉄」を、『千の名前』より「空の名前」と「千の母音」を、『世界海』より「ユーラシアの夜明け」を、『幻の母』より「漂鳥」を朗読されました。

 

今回も限られた時間の中で、城戸さんにはたくさんの作品の朗読と、お話をしていただきました。

 

皆さんもぜひYoutubeで実際のリーディングをお楽しみください。

 

※サイト内のMovies からご覧いただくことができます。

 

お知らせしていましたように、今回を持ちましてLunch Poems@Dokkyoは一旦終了となります。これまで、お越しいただいた皆様、誠にありがとうございました。


第20回(2023年10月19日)詩人・森山 恵

 

更新遅れました、2023年10月19日にLunch Poems@Dokkyo第20回を無事開催することができました。たくさんの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。

 

また、今回お越しいただきました詩人の森山 恵様に感謝申し上げます。

 

今回のイベントでは『連詩 見えない波α』から「#24」を、『みどりの領分』から「みどりの領分」と「クレム・ブリュレ」を、『Ultra BARDS』35号から「ならぞら」を、『hotel 第2章』49号から「19時59.2分」を、『crossing lines』から「花の話法」を、そして訳書『源氏物語① A・ウェイリー版』から『波』より一部抜粋をして朗読されました。

今回、森山さんには限られた時間の中でたくさんの作品を朗読、お話をしていただきました

 

皆さんもぜひYoutubeで実際のリーディングをお楽しみください。

 

※サイト内のMovies からご覧いただくことができます。

 

また、次回のLunch Poemsは12月21日に城戸 朱理さんをお迎えして開催いたします。

次回を持ちましてLunch Poems@dokkyoは終了となります。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

 


第19回(2023年7月14日)詩人・田 原 (ティエン・ユアン)

 

更新遅れました、2023年7月14日にLunch Poems@Dokkyo第19回を無事開催することができました。たくさんの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。

 

 

また、今回お越しいただきました詩人の田 原(ティエン・ユアン)様に感謝申し上げます。

 

今回のイベントでは『田原詩集』より「夢の中の木」「深夜」、そして詩集『石の記憶』からは「梅雨」「海の顔」、『現代詩手帖 20232月号』から「関門橋」『夢の蛇』から「浮浪者」を朗読されました。

今回、田 原(ティエン・ユアン)さんには限られた時間の中でたくさんの作品を朗読、お話をしていただきました

 

※サイト内のMovies からご覧いただくことができます。

 

また、次回のLunch Poems は7月を予定していますので引き続き応援よろしくお願い申し上げます。

 

次回は森山 恵さんをお迎えします。

 

皆さまのご来場心よりお待ちしております。

 


第18回(2023年5月18日)詩人・マーサ・ナカムラ

 

更新遅れました、2023年5月18日にLunch Poems@Dokkyo第18回を無事開催することができました。たくさんの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。

 

また、今回お越しいただきました詩人のマーサ・ナカムラ様に感謝申し上げます。

 

 

今回のイベントでは詩集『狸の匣』より「柳田國男の死」「許須野鯉之餌遣り(ゆるすのこいのえさやり)」、そして詩集『雨をよぶ灯台』からは「鯉は船に乗って進む」「なかへと」を朗読されました。

 

マーサさんの詩は現実から非日常へと場面がガラッと変わるのに、切り替わりがとてもスムーズで異世界への入り口となるような作品が多くあります。今回のイベントで私たちはマーサさんの作品の世界へと没入し愉しむことができました。皆さんもぜひYoutubeで実際のリーディングを聞いてみてください。

 

※サイト内のMovies からご覧いただくことができます。

 

また、次回のLunch Poems は7月を予定していますので引き続き応援よろしくお願い申し上げます。

 

次回は田原さんをお迎えします。

皆さまのご来場心よりお待ちしております。



2022

第17回(2022年12月15日)詩人・平田詩織

 

更新遅れました、2022年12月15日にLunch Poems@Dokkyo第17回を無事開催することができました。たくさんの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。

 

また、今回お越しいただきました詩人の平田様に感謝申し上げます。

 

今回のイベントでは雑誌『てんでんこ』の2014年に掲載されたエッセイ、同雑誌の11号からは「ニューヨーク」、そして詩集『歌う人』からは「春の錬成」「ニューヨーク」を朗読されました。平田さんの詩には音楽が感じられ、視覚と聴覚の連鎖というものを見ることができました。

 

本年度のLunch Poemsはこれで終了となります。

来年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

最後に、第17回lunch Poems@dokkyoの動画のご案内となります。ぜひご覧ください。

 

※サイト内のMovies からご覧いただくことができます。


第15回(2022年7月14日)詩人・四元康祐

 

更新遅れました、2022年7月14日に再開しましたLunch Poems@Dokkyo第15回を無事開催することができました。たくさんの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。

 

また、今回お越しいただきました詩人の四元様に感謝申し上げます。

 

今回は久しぶりの再開ということもあり、実行委員として不足していたところもあるかもしれませんが、原ゼミ一同不器用ながら皆様の学びの場としてLunch Poemsを作り上げることができました。

 

また、イベント開催後の質疑応答の時間もゼミ生を中心に多くの気付きを得ることができ、四元様の作品に深く触れることができました。

最も、Lunch Poems@Dokkyoが意図としている「詩は声の文化である」ということを実際に詩人の方にお越しいただいたうえ、生の声を通し、詩が立ち上がる貴重な体験の場であったと言えるでしょう。

 

最後に、第15回lunch Poems@dokkyoの動画のご案内となります。ぜひご覧ください。

※サイト内のMovies からご覧いただくことができます。

  扱った詩集

『笑うバグ』

『世界中年会議』

『噤みの午後』

『対詩 泥の暦』

『言語ジャック』

『小説』

 

また、次回のLunch Poems は10月を予定していますので引き続き応援よろしくお願い申し上げます。

 

次回の詩人は野村喜和夫さんをお迎えする予定です。

 



2019

第14回(2019年11月14日)詩人・マルティーナ・ディエゴ

 

2019年11月14日にLUNCH POEMS@DOKKYO第14回を開催しま第1した。

 

ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

今回出演してくださったディエゴさんは2018年に自身初の詩集『元カノのキスの化け物』を出版しました。その詩集は読売新聞において「2018年の3冊」として、歌手・一青窈さんに選出され、書評を頂くなど高い評価を得ています。

 

今回のイベントでは詩集『元カノのキスの化け物』から「一人酒」「悲しむ隙間」「五十年後の俺」「新里」を朗読されました。

 

ディエゴさんの詩には日本人が思いつかないような斬新な日本語の表現や聞いていて思わずクスっと笑ってしまうようなユーモラスな場面もありとても新鮮な気分にさせてくれます。皆さんもぜひYoutubeで実際のリーディングを聞いてみてください。

 

本年度のLunch Poemsはこれで終了となります。

 

来年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 


第13回 (2019年10月17)詩人・永方佑樹

 

10月17日(木)にLUNCH POEMS@DOKKYO第13回を無事開催することができました。


ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございます。


今回ご出演くださったのは最新詩集『不在都市』(思潮社)が第30回歴程新鋭賞を受賞した永方佑樹さんです。


今回のイベントでは『√3』、『不在都市』に収録されている詩をリーディングしてくださいました。


『√3』からはそれぞれがひらがな、カタカナ、漢字だけで構成されている詩をリーディングしてくださいました。それぞれの詩が全く違った音を持っていてとても面白いので是非YouTubeで実際のリーディングを聞いてみてください。


また『不在都市』は実際に東京の街に行って聞こえてきた声、音なども書かれており聞くだけではなく読むのもとても楽しい詩となっています。

 

次回はマルティーナ・ディエゴさんをお迎えします。

皆さんのご来場を心よりお待ちしています。



2017

第10回 (2017年11月16)詩人・ぱくきょん

1116()LUNCH POEMS @DOKKYOの第10回目を開催いたしました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

今回は詩人ぱくきょんみさんにお越しいただきました。ぱくきょんみさんは1956年、東京にて在日韓国人2世としてお生まれになりました。 第一詩集『すうぷ』を1980年に出版されて以来、詩やエッセイをさまざまな媒体に掲載されています。

 

主な著書に詩集『すうぷ』、『そのコ』『ねこがねこ子をくわえてやってくる』『何処何様如何草紙』、エッセイ集では『庭のぬし 思い出す英語のことば』、『いつも鳥が飛んでいる』、絵本では『れろれろくん』、『はじまるよ』をお書きになり、今年の秋に新作絵本『ごはんはおいしい』を刊行されました。

 

リーディングでは、作品を書いた当時の心境や考え方を交えながらお話をいただき、どのような背景で作品が生まれたかということを肌で感じることができました。

 

特に、「ハングゲ(韓国へ)」という詩については1980年の第一詩集から、今年までに3度書かれており、書き続けるということについてお話しいただきました。またそれぞれの「ハングゲ」について、どのような背景で書かれたのか、その際に何を感じ、考えられていたのか、また心境の変化などを詳しくお話しいただき、作品への理解を深めることができました。

 

ぱくさんのお話を聞いていく中で、自国に対する考え方を見直す瞬間が何度もありました。在日韓国人二世のぱくさんが見つめる日本と韓国は、日々なにげなく生きている私たちにとってとても新鮮であり、心に刺さるものがありました。

 

ぜひyoutubeの映像でも楽しんで頂けたらと思います。

 

次回はヤリタミサコさんをお迎えします。

 

皆様のご来場を心よりお待ちしております。


第9回 (2017年10月19)詩人・八木幹夫

 

1019日(木)にLUNCH POEMS@DOKKYOの第回目を無事開催することができました。ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。

 

八木さんは1983年に第一詩集『さがみがわ』を刊行され、中学教員を務める傍詩作に励み、『八木幹夫詩集』『少年時代の耳』、『身体詩抄』、『秋の雨の日の一方的な会話』、『目にはさやかに』『夏空、そこに着くまで』などを発表されています。2015年には『川、海、魚等に関する個人的な省察』を出されております。

 

八木さんは日本現代詩人会、余白句会の会員でもあり、海外子女文芸作品コンクール等の選者も務められています。

 

当日は様々な詩集から多くの詩を朗読してくださりましたが、親しみやすい言葉やユーモラスな表現を用いた八木さんの詩がきいていてとても心地が良かったです。声の文化である詩をそのまま耳で聞いて音を楽しむことも、また、字面で見て漢字やひらがなを使い分けている様を楽しむこともでき、様々な面から詩を感じ取ることができました。

 

当日も朗読後に多くの方から様々な質問が飛び交い、とても充実した時間でした。

 


第8回(2017年7月20日)詩人・ジュディ・ハレスキ

 

 

720()LUNCH POEMS @DOKKYOの第8回目を開催いたしました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

 

 

今回はジュディ・ハレスキさんにお越しいただきました。

 

 

 

ハレスキさんはカナダのノヴァスコーシャ出身で、現在はカリフォルニアを拠点に活動されいる詩人です。ハレスキさんはUniversity of CaliforniaDavis校でパフォーマンス・スタディーズにおいてPh.D.を取得され、現在は同じくカリフォルニアのDominican Universityで教鞭を執っておられます。主な科目はアメリカ現代詩とクリエイティブ・ライティングで、それと同時に本日のようなリーディングや、詩作活動をされております。

 

 

 

またハレスキさんは、過去に日本の二つの大学でも勉強されております。ひとつは金沢美術工芸大学で、文部科学省奨学金を使って、彫刻を専攻されておりました。もうひとつは法政大学で、日本文学を専攻されており、この二つの延長線上で暗黒舞踏の研究もされております。

 

 

 

ハレスキさんは現在、Sky=EmptyTree Linesという二つの詩集を出版されており、本日はそのTree Linesの方からポエトリー・リーディングをして頂きました。また日本の俳句と能が、アメリカの能にどのような影響を与えたか、という主題のエッセイも出版されており、東西を問わず、あらゆる領域の知識に厚いお方です。

 

 

 

ハレスキさんの詩は、とても多層的な構成になっているという印象を受けました。たとえば李白や芭蕉といった過去の東洋文学のモチーフを使いながら、並行して詩人の記憶を描いています。そしていつの間にか、読者は「いま」に存在する詩人独自の世界に導かれていることに気がつくのです。最初はバラバラになっているイメージも過去や現在を往復するあいだにすべてが繋がり、詩人の世界観に直面させられるのです。とくに“Walk the Line”の朗読を聞いたとき、その感覚が強まった印象を受けました。

 

 

 

次回は八木幹夫さんをお迎えします。みなさんのご来場をお待ちしております。

 

 


 

 7(2017615)詩人・三角みづ紀さん

 

615()LUNCH POEMS @DOKKYOの第7回目を開催いたしました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

今回は詩人としてはもちろん、音楽活動においてもご活躍されている三角みづ紀さんにお越しいただきました。三角さんは2008年頃から音楽活動を始められ2010年には三角みづ紀ユニットとして初アルバムをリリースされました。2015年に行われた展示「詩作」では、詩を作る過程を映像化し、音にするという視覚と聴覚効果を用いたものとなり、詩というものを幅広く表現されています。

 

今回は、第22回萩原朔太郎賞を最年少受賞された第五詩集「隣人のいない部屋」から詩を選んでいただきました。三角さんは旅をすることがお好きということで、実際にこの詩集もスロベニアやイタリア、ドイツの旅先で書いてまとめられたものでした。

旅先では四週間、毎日一編ずつ必ず仕上げるといったルールを決め、自分自身を追い込むこともされたそうです。

 

今回は音楽活動をされている三角さんならではといった、ループマシンを使った演出でした。ループマシンとはある音を録音してそれを繰り返し再生させる機械のことです。ひとつのフレーズを録音してそれをループさせ、そこに新しい音を重ねるだけでなく、その重ねた2番目のフレーズも一緒にループさせて更に音を重ねることが出来ます。三角さんがご自身のタイミングで声を録音される過程を見ているのは、まるで詩作を見ている観客のような気持ちでした。

 

三角さんが作品を作る上で大切にされている 余白 という間も音楽の一部となり、会場全体がのみこまれてしまったかのようでした。ループマシンの効果によって声が何重にも重なりあい、ひとつの曲となり音楽としても楽しめるといった演出は、我々学生にとっても新しい感覚であったと思います。本来の詩の姿である声の文化といった視点を改めて考えさせられた回でありました。ぜひyoutubeの映像でも楽しんで頂けたらと思います。

 

次回はジュディ・ハレスキさんをお迎えします。

 

皆様のご来場を心よりお待ちしております。


第6回(2017年5月18日) 出演:佐峰存さん

5月18日(木)にLUNCH POEMS@DOKKYOの第6回目を無事開催することができました。ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。


5月18日は初夏と梅雨という相反するものが共存する天気の日でした。
2016年度H賞候補作『対岸へと』から詩を5編読んで頂きました。

佐峰さんは、小学生の頃より大学卒業までアメリカで13年間過ごされた経験があります。周りの人とコミュニケーションを取りたくても取れない経験が基礎にあり、この言葉にならない状態を書き落としていく過程で、自然にメモから詩という体型になり、詩を書かれるようになりました。アメリカでは高校までニューヨーク、大学はコネチカット州、現在は東京にお住まいで、場所のギャップをそれぞれ楽しまれています。

まず、「連鎖」という詩を読んで頂きました。
東京湾が身近にある環境で幼い頃と帰国後に暮らしている経験から、佐峰さんは東京=水のイメージをお持ちのようです。

ヘルマンヘッセの小説『シッダールタ』の「川は常にそこにありながら変わっている」という、水の流れは様々な解釈が可能であるという意味を含んだ1行より、佐峰さんは言葉も同じで一通りの解釈だけではなく、言葉そのものから受ける瞬間的なイメージを起点とした解釈など、様々な捉え方があると考えられました。そして、「連鎖」が書かれ詩集の一番最初に収録されています。

次に、自分自身の身体的な経験を言葉に置き換える実験的な詩である、「指に念じる 」を読んで頂きました。
ここでの「指」は佐峰さんの紛れも無い実体験が表現されています。

言葉でない感覚をいかに言葉の形にしていくか。そして、いかに言葉と言葉を繋げて感覚を越えられるか。実体験より確かな領域に踏み込めるか。そういった思考が佐峰さんの根底にあります。その意味でこの詩は、外側から入ってきたものを身体の感覚を通じて自分の中で確信に至り昇華させるのではなく、言葉によって心の中でより強い確信に至ろうとする試みの詩であると言えます。

次に、日頃の平日の体験をモチーフにされた「眠り支度」を読んで頂きました。

ここでは、深夜にタクシー帰りで疲れ果てた状態だったが書かずにいられなかったという佐峰さんのエピソードをお聞きすることができました。
この詩の情景はシンプルで、スーツを脱いで顔を洗う動作が描写されています。

どんな瞬間にも物凄く色々なものが詰まっていて、作品のきっかけになり得ることから、日頃の何気ない風景をまた同じ風景だと思いながらも、微生物の様な細かい感覚を広げて作品にされたようです。

次に、詩集『対岸へと』の最後に収録された作品である「黒い森から」を読んで頂きました。
この詩の根底には、言葉と言葉を繋ぎ合わせることによって、今まで存在しなかった感覚の世界を存在させることができるのかという佐峰さんの試行があります。

ここでは佐峰さんの言うところの、"言葉の地層性"について語られました。この世界に見えている全てのものは言葉によって出来ており、言葉と言葉を積み上げることによって世界そのものの立ち位置を僅かながら移動することが可能なのでは無いか。佐峰さんはここを起点として普段、詩を書いていらっしゃいます。特に「黒い森から」はそこを全面的に押し出した作品なのだそうです。

言葉同士がお互いを呼んできて、繋がっていき、言葉同士で作品を形成していく。これは、他の表現ジャンルとも共通するものがあるのでは?という考えより、ジャンルを跨いだ現代音楽の方ともこの詩を用いて活動されました。

最後に、佐峰さん自ら翻訳して頂き、英語で「砂の生活」を読んで頂きました。

これは、日本の現代詩は英語にした時にどういう作品になるんだろう?という試行になったそうです。英語にしていく過程で、難しい日本語の熟語が意外とシンプルになっていきました。これは英語でしか捉えられない感覚というものが存在しているからだ、と仰っていました。言語の体系によって、やはり感覚も変わっていくのでしょう。

質問コーナーでは、今を生きている感覚や詩との関連についてお話しされました。

現代は感覚で物事を感じながら言葉として昇華させていく流れの中で、色んな情報の持ち方だったり、コミュニケーションのあり方が多様になって来ていて、その中で言葉の使われ方も変わってきている。特に、言葉はその中に閉じ込めておくものではなくて、感覚を通じて感じていかなくてはいけないもの。良くも悪くも目まぐるしいこの世の中を表現と結びつけられないか虎視眈々と見て生活している。

同じ現代に生きる者として、言葉との付き合い方を考えさせられる回でした。

後日youtubeに動画をアップする予定です。
是非ご覧になってみて下さい。

次回は6月15日に三角みづ紀さんをお迎えします。
みなさんのご来場を心よりお待ちしています。

セットリスト
 #1  「連鎖」
#2 「指に念じる」
#3 「眠り支度」
#4 「黒い森から」
#5 「砂の生活」(英訳 ver.)


第5回(2017年4月 20日) 出演:暁方ミセイ

 

4月20日(木)に今年度では初となる、LUNCH POEMS@DOKKYOの第5回目を無事開催することができました。
ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
また本年度もどうぞよろしくお願い致します。

そしてこの記念すべき回にご出演くださったのは、詩のみならずエッセイや短編小説なども手掛け、マルチな才能でご活躍中の詩人・暁方ミセイさんです。

2011年、詩集『ウイルスちゃん』(思潮社)で第17回中原中也賞を受賞され、今回のイベントでもその詩集の中からリーディングをしてくださいました。

『ウイルスちゃん』に収録されている詩のほとんどは、暁方さんが大学生のときにお書きになった作品ということで、詩の朗読だけではなく大学時代の過ごし方やその中で詩を書くようになったきっかけ、また就職活動のことまでお話いただき、これも学生主体の本イベントならではの、大変貴重な時間になりました。

また、歩きながらや旅をしながら詩を書くことも多いという暁方さんが「中国紀行」を朗読する際に語ってくださった、驚きのエピソードなども必聴です。
もちろん今回もyoutubeに動画をアップする予定ですので、そちらを是非チェックしてみてください。

次回は、5月18日(木)に 佐峰存さんをお迎えし開催致します。
みなさまのご来場、心よりお待ちしております。

セットリスト
#1 「死なない朝」
#2 「埋め火」
#3 「中国紀行」
#4 「空き部屋」
#5 「からあるくみち」



以前の講演のレポートについては旧LUCHPOEMS@DOKKYO HPからご覧いただけます。

 

 

獨協大学 ©2019 LUNCH POEMS@DOKKYO 無断転載を禁じます。